オーストラリアで、16歳未満の子どものSNS利用を禁じる法案が可決されました。しかし、メディア法が専門の関西大の水谷瑛嗣郎准教授は「日本は同じ法律は作らない方がいい」と言います。子どものSNS利用に対する法規制のあり方について、話を聞きました。
メディア法学者・水谷瑛嗣郎さんインタビュー
日本では従来、未成年とメディアをめぐり、主に二つのリスクへの対策が取られてきました。一つは、性や暴力など年齢的に好ましくなかったり違法だったりする情報にさらされる「コンテンツリスク」。もう一つは、他者との接触を通じて性被害などに遭う「コンタクトリスク」です。
コンテンツリスク対策では、自治体の青少年健全育成条例で地域の本屋に青少年への有害図書の販売を禁じるなどの対応がとられてきましたが、ネット時代には当然限界があります。コンタクトリスク対策では、交際情報サービスを提供するマッチングアプリなどの事業者には、出会い系サイト規制法で利用者の成人確認を義務づけています。このほか2008年制定の青少年インターネット利用環境整備法がありますが、主に携帯電話会社に、未成年の利用を制限するフィルタリングサービスの提供を義務づけるものです。
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さらに今は、SNSなどソーシャルメディアのサービス設計やビジネスモデルが生み出すリスクにも注目する必要があります。
SNSの新しいリスク
たとえば、広告収益のために…